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わんちゃんねこちゃんでは、虫歯は非常にまれな病気です。

予防したいメインは歯周病です。歯周病の原因は細菌の塊である歯垢(プラーク)ですから、これを毎日取り去るのがケアの目的です。

今回は、歯ブラシを使った歯磨きの前に、知っておいて欲しいことをお話しします。

お口の中で汚れやすいのはどこ?

 

汚れやすく、歯磨きで注意したいポイントは、?上の歯の外側、?下の歯の内側、?上の歯の内側、?下の歯の外側です。

歯垢や歯石が1番付きやすいのは、上の歯です。

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特に汚れやすい上顎のこの奥歯は、わんちゃんがものを噛むために使う大事な歯でもあり、そして最も折りやすい歯でもあります。(ねこちゃんで1番折りやすいのは、上の犬歯です)

その上、歯磨きでも磨き残しが多かったり、唾液腺が近くにあって、歯石になる材料が集まりやすい場所でもあることから、歯周病になりやすい歯でもあります。

歯磨きの頻度はどのくらい?

 

歯磨きの目標は、1日1回です。歯垢が古くなり、悪い最近が増えないうちに磨いてあげるためです。

しかもわんちゃんの口の中は人よりもアルカリ性に近く、歯垢がついてから歯石になるまで3~5日と非常に速いスピードで進みます。

ですからもしも毎日やるのが難しい場合は、まずは3日に1回を目標に頑張ってみましょう。

歯石になってしまうとブラッシングでは落とせず、その表面には歯垢が付きやすくなるため、歯石になる前に歯垢を掻き取ることが必要です。

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歯垢を放置すると、より歯周病に悪影響を与える菌(嫌気性菌)が増えてきます。

嫌気性菌は酸素が苦手なので、ブラッシングで歯周ポケット内の空気を入れ替えることも、歯磨きの効果の1つです。

歯が汚れてしまったら?

 

歯の黄色味が歯垢の付着なら、歯ブラシで磨くと綺麗になります。

しかし、歯石になってしまっていたら、いくら頑張っても取れません。

歯石が少しだけついていると、何かで引っかいて取ってしまいたくなりますが、やめて下さい。

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歯石を掻き落せるような硬いものでこすると、歯に傷がつき、より汚れがつきやすくなってしまいます。

また、歯周病の原因は歯石でなく歯垢です。そして歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」の中にたまった歯垢がもっともひどい悪さをします。

これを徹底的に取らないと、いくら歯の表面を白くしても、歯周病を予防しているとは言えません。

歯石がついてしまったら、病院で麻酔をかけて徹底的に汚れを取って(「スケーリング」と呼びます)、歯磨きを再開する! というのがお勧めの方法です。

歯磨きガムやペースト、オーラルスプレーは?

 

これらは、口腔内の環境を整え、歯周病管理の補助にはなりますが、完全な予防はできません。

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その理由は、歯垢の中で共存している細菌たちがつくる「バイオフィルム」です。これは動物の免疫細胞だけでなく、抗生物質などの薬の効果でさえ防御してしまう強力なバリア。ベトベトと歯に付着して、水で流してもへばりついています。

彼らは、うがいをして出すということができません。そのため、飲み込んでしまっても安全であることを前提に作られており、効果はマイルドで、バイオフィルムを破壊できません。

どうしても歯を磨けない日の助っ人や、歯磨きの補助としてとらえましょう。

歯ブラシはオモチャではない

 

歯ブラシを手に取った方、ねこちゃんが不審がったり、わんちゃんがオモチャだと思って、かじったりしていませんか?

私たちにとって歯ブラシは歯を磨くものですが、彼らにとっては、「ケバケバのついた棒」です。まずは不審なものではないと教えてあげましょう。

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特にねこちゃんは警戒心が強いので、歯ブラシで撫でてみたり、触れたりして怖いものではないと教えてあげます。

まず、歯ブラシに大好物の何か(缶詰やミルク)をつけて舐めさせてみます。こうやって歯ブラシに親しみを持ってもらいます。

注意点は、ここで歯ブラシを噛むという習慣はつけないことです。

歯ブラシ=噛むオモチャと誤解されてしまうと、後に磨きにくいことになってしまいます!

歯ブラシを使う前に試しておきたいこと


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あなたは、お口まわりを触れますか? 唇を持ち上げても怒りませんか?

大丈夫という方は、歯を指で触ってみます。まだいけそうであれば、指で少しこすってみましょう。

次に、同じことをガーゼを巻いた指でやってみます。成功したら、ほめたりおやつをあげたりして楽しい事として覚えて貰いましょう。

この時、どこまで歯があるのか指の感触で覚えておくと、歯ブラシを使う時に役立ちます。

猫ちゃんの歯肉ケア


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歯ブラシが難しい猫ちゃんの歯肉ケアには、綿棒を使ってみましょう。

お口には触れるけれど、歯ブラシという異物が口に入ると、とても嫌がることがあり、わんちゃんよりもトレーニングで慣れさせるのは難しいでしょう。

そんな子には、綿棒でのケアがお勧めです。

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ワンちゃんに比べて歯肉が薄いので、濡らした綿棒で歯と歯肉の境を擦ってあげるだけでも、歯垢を取り除くことが期待できます。

特に、上の奥歯は歯垢・歯石がたまりやすいので、試してみてください。

参考

 

成城こばやし動物病院       http://feegoo.jp/

レッツ118(いい歯)プロジェクト http://feegoo.jp/118project/index.html