犬といっしょに暮らしている方のお悩みのなかで非常に多いのが、「吠え」に関するものです。

郵便や宅配に吠える、散歩中に他の犬に吠える、飼い主の帰宅に吠える、些細な物音に吠えるなど、さまざまなシーンで犬はよく吠えます。

犬は吠えるものですが、住宅地ではそうも言っていられません。
近所迷惑になるし、第一、一緒に暮らす人間にとってはうるさくてしかたがありません。つい、「なんでこんなに吠えるんだろう、そんなことには吠えなくてもいいのに」、などと思ってしまいます。

「無駄吠え」という言い方は、こんな飼い主の気持ちから生まれた表現なのでしょう。

犬の「吠え」は、人間とのコミュニケーションツール

しかし、人間にとっては「無駄」と思われる吠えですが、犬にとっては決して無駄ではありません。
吠えは犬の「言葉」だからです。

人間は言葉によって相手に自分の気持ちや意思、考えなどを伝えてコミュニケーションを取りますが、犬は人間が使うような言葉は持っていません。そのかわりに「吠え」を使うのです。

犬はオオカミと共通の祖先から進化したといわれていますが、オオカミは犬のように吠えません。唸り声はよく使いますが、「ワンワン」というような吠え声は使いません。

犬の「吠え」は、犬が人間のそばで暮らす中で獲得してきたコミュニケーションツールなのです。

「吠え」で何を伝えたいのか理解しましょう

「吠え」は犬にとっての言葉、と理解すると、犬の吠えは「無駄」ではないといえます。

犬は吠え声で人間に自分の気持ちや意思などを伝えようとしているのですから。

たとえば、郵便や宅配の人が門やドアの前に来たときには、「ウーッ、ワンワンワンワン・・・ワンワンワンワン」と低めの声で唸りを交えながら激しく鳴きます。
それに対して飼い主が帰宅したときには、甲高い感じの声で「ワン・・・ワン・・・ワン・・・ワン」とリズミカルに鳴きます。

こんなふうに鳴き声も違いますが、そのときの犬の気持ちも、言いたい言葉も、それぞれ違うのです。

宅配などのときには、警戒や不安な気持ちで「不審なやつめ!あっちいけ!」と言っています。飼い主の帰宅時は、うれしい興奮から、「わーい、わーい、お帰りー!」と言っています。これらをいっしょくたにして、「無駄吠え」と切り捨ててしまうのは、なんとももったいないことです。

愛犬に「吠え」をやめてもらうには?