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※画像はイメージです。

うちの犬はひとりぼっちでつまらなそう、いっしょに遊ぶ仲間がいると楽しく暮らせるかも…。犬と暮らしている人は、誰でも一度はそう思ったことがあるでしょう。この考えは間違っていません。犬は社会性が高い動物なので、仲間と交流することは社会的欲求のひとつとして、とても重要だからです。犬は同種の犬はもちろんのこと、異種の人間や、人間と暮らしている猫などの動物とも仲間になることができるという、すばらしい能力を持っています。

だったら、仲間がたくさんいたほうがいいし、それが犬だったらなおのこといいだろうと思う人も多いでしょう。ですが、多頭飼育には気をつけるべきポイントがいくつかあります。今回はそれを考えてみましょう。

まずは先住犬の状況を考えよう

まず、もっとも大切にしなければいけないのは、先住犬の意思であるということをよく覚えておきましょう。ひとりぼっちでつまらなそうと思っているのは飼い主だけで、犬はひとりのほうがいいと思っているかもしれません。
散歩のときに他の犬に吠えかかるとか、突進するなどという場合は、他の犬と交流するときのマナーを学んでいない、言い換えれば社会化不足ですから、他の犬といっしょに暮らす準備ができていないということです。そういう状態でいきなり他の犬を迎え入れても、仲良くはできません。社会化期を過ぎてしまった犬が、改めて犬との付き合い方を学ぶには、飼い主の長期にわたる忍耐強いサポートが必要です。

よく社会化された犬とは?

では、よく社会化された犬の行動とはどのようなものでしょうか。次の動画を見てください。1分05秒あたりから、犬同士の挨拶が始まります。

尻尾をゆっくり振りながら、ゆったりした速度で近づいて、顔を背けたりお辞儀をしたりといったカーミングシグナル(犬のボディランゲージ)を出しながら、静かににおいの交換をして、短時間で立ち去っています。このような行動ができれば、犬との付き合い方を理解しているということです。その場合は他の犬を受け入れることができます。

大切なのは犬同士の相性を見極めること

気をつけなければいけないのは、犬にも人間と同じように相性があるということです。おとなしい先住犬のところに、元気いっぱいな新入りが来たら、先住犬は疲れてしまいますし、その逆もあります。

年齢差もまた重要です。年齢が近すぎるとけんかしやすくなります。同性同士では3歳以上、異性同士では2歳以上離れていたほうがうまくいきやすい傾向があります。

しかし、後から迎えるのが子犬だったら大丈夫かというと、そうとも言えません。子犬は活発なので、先住犬がうっとうしがることがあります。
それ以外にも、はっきりした理由はなくて、なんとなく好きとか、なんとなく嫌いというのもありますから、家に迎える前に何度も会わせてみて、お互いに友好的な関係が築けそうだと確信してから迎えるようにしましょう。いっしょに暮らせば何とかなるというのは、あまりに楽観的な考えです。

もし仲良くならなかった場合、嫌いな相手と一生いっしょに暮らさなければならなくなるので、犬同士お互いに多大なストレスがかかります。飼い主が気に入った犬を迎えるのではなく、先住犬の気持ちを第一に考えてあげることが大切です。

先住犬の気持ちのゆとりも重要

社会化や相性の問題以外に、他の犬を受け入れられるかどうかには、先住犬の気持ちのゆとりも関係します。先住犬のストレスレベルが高くてイライラしていると、新しい仲間を受け入れるのが難しくなります。

後から迎えた犬は、環境が変わるので少なからずストレスを受けていますから、先住犬が十分に落ち着いていないと、けんかが頻発することになります。先住犬にストレス行動(よく吠える、興奮しやすい、散歩のときにリードを引っ張る、他の犬に攻撃的な態度を取るなど)がある場合は、後から来た犬にもその行動が伝染します。そうなると、それぞれのストレスが倍増して、けんかが起こりやすくなり、それによってまたストレスがかかるという悪循環に陥ります。新たに犬を迎えるのは、先住犬のストレス行動がなくなって、落ち着いて行動できるようになってからにしましょう。

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