猫のコミュニケーション方法は、大きく3つに分けることが出来ます。
それは「鳴き声」「ジェスチャー」「マーキング」の3つです。

人間も言葉だけではなく、ジェスチャーを使ってコミュニケーションをとりますよね。
猫の「シッポ」を使ったコミュニケーションは「ジェスチャー」に含まれます。

シッポを使ったコミュニケーションは、動きが顕著なので猫語の中では読解しやすいでしょう。
鍵シッポ(シッポがカーブして固まっている猫)や、シッポが短い猫でも、注意して見ているとシッポを使った感情表現をしていることがわかります。

今回はシッポの動きや形に注目して、猫の気持ちを読み解いてみましょう。


1.垂直に立てる→「ウキウキ!ご機嫌にゃ!」

しっぽ1

シッポをピーンと垂直に立てるのは、「友好的な感情」の表現です。

子猫が母親に近づくときにもみられる行動です。
これは母親が、子猫のお尻を綺麗に舐めて清潔にしてあげることのなごりから来ているという説もあります。

猫同士であればシッポを立てた猫が近づいてくると、受け手の猫もシッポを立ててそれに答えます。
シッポを垂直に立てながらあなたに近づいてきたら、猫はあなたに対して好意をもっているサインです。


2.シッポたてて弓のようにしならせる→「テンションあがってきたにゃ!」

しっぽ2

背中の上で弓形のしならせたシッポは、「非常に興奮している」という意味です。
子猫が遊んでいる時にエキサイトしてくると、シッポが弓形になっているので注意深く観察してみましょう。
遊びに夢中になっている証拠です。


3.シッポをバタバタ振る→「イライラ…。」

しっぽ3

シッポを鞭のように振るのは、「苛立ち」を示しています。
イヌはシッポをふるとご機嫌のサインですが、猫は真逆なので覚えておいて下さい。

人間でいうところの貧乏揺すりに近いのではないと私は思っています。
猫同士だと距離を遠ざける合図として、この動きをすることもあります。
もし抱っこしているときに、この動きが出たら一度猫を自由にしてあげましょう。


4.シッポをわずかに振る→「動揺してるにゃ!」

しっぽ4

特にシッポの先端を少しだけ動かしている時は、「不安」や「動揺」を表しています。
突然大きな音がなった後に、シッポの先端を神経質そうにビクビクさせているのは、まだ動揺して落ち着いていないという気持ちを表しています。
この動きは獲物を狙っているときにでることもあります。


5.毛が逆立ってシッポも立っている→「決して近寄るにゃ!」

しっぽ5

シッポが逆立っているのは威嚇のサインです。
膨らんだシッポは狸のシッポのようにみえます。
威嚇にも攻撃的威嚇と、防御的威嚇があり、これは「防御的威嚇」を表しています。
防御的威嚇とは、先住猫が新参猫を追い払うときにするような威嚇です。
自分を大きく見せるために体を斜めにして、シッポ以外の毛も逆立てます。


6.毛が逆立っているけどシッポは下向き→「喧嘩上等にゃ!」

しっぽ6

こちらは「攻撃的威嚇」のときにみられるサインです。
攻撃的威嚇は猫同士の喧嘩などで優位な立場(強い猫)が行う威嚇です。
シッポを含んだ全身の毛を逆立てていますが、シッポは地面に沿わせているのが特徴です。
このとき④のようにシッポを小さく動かすこともあります。


7.シッポを左右の足の間にしまう→「服従!怖いにゃ!」

しっぽ7

シッポを後肢の間にしまっているときは、あまりの「恐怖」に萎縮しています。
優位なオス猫と対面したときや、雷や掃除機に音にびびっているときにみられるシッポです。
このように恐怖を抱いている猫に無理に近づくと、咬まれたりすることがあるので危険です。


8.シッポで体を巻きつける→「リラックスニャ♪」

しっぽ8

猫がシッポを前足に巻いている姿は、上品で可愛いですよね。
シッポを体に巻き付けているのは「リラックスしている」証拠です。
緊張している猫ほど、すぐに動ける準備をしています。
シッポを巻き付ける行為は、腰を下ろし、しばらくはそこで休憩しようとしています。

猫に乗っかられると飼い主としては嬉しいですが、猫をどかすのが可哀想で動けなくなりますよね。
膝の上でシッポを巻いていたらしばらくは付き合って上げましょう。


【番外編】猫のシッポについてのQ&A

Q.猫の名前を呼んでいるのに振り向いてくれません。シッポをピっと動かすだけです。
猫はどういう気持ちなのでしょうか?

A.「聞こえているけど、今は動きたくないにゃ。しつこいにゃ〜」ぐらいの気持ちではないでしょうか。
あまりしつこく呼んでいると猫もイライラしてシッポの先を強く振るようになるでしょう。

Q.私が横になって寝ていると猫が目の前を横断してシッポをペシペシ顔にぶつけてきます。どんな意味があるのでしょう?

A.いわゆるマーキングの一種でしょう。
シッポの付け根にもフェロモンが出る部位があります。
顔をすりつけてくるのも、頬のあたりから分泌されるフェロモンを飼い主につけているのです。
好意的な感情表現の1つと捉えることが出来ます。

Q.猫以外のネコ科動物もシッポで感情表現をするのでしょうか?

野生のネコ科動物でもシッポを両足の下に納めて、服従のポーズをとることはあります。
しかし、それ以外のシッポの動きでのコミュニケーションは行わないようです。

ただし、ライオンだけは例外で、体をこすりつけるときに猫のようにシッポを垂直にあげる姿が確認されています。
ライオンはネコ科で唯一群れを形成する動物ですので、様々なコミュニケーション手段が存在するのでしょう。



今回あげたシッポの動きや形は、猫のシッポによる代表的な感情表現です。
猫同士では、人間には気付かないもっと細かいシッポを使った猫語があるかもしれません。
シッポを垂直に上げることが好意的な表現というのがわかったのは、実は1990年代になってからです。
このように、今後も新しいシッポ語が発見されるかもしれません。

人間にはシッポがないのでイメージしにくいですが、シッポを観察するだけで大まかな猫の気持ちを理解することができるのです。