A-1_inunoketunyou

尿は便と同様に、犬の健康状態をはかる大切なバロメーターです。もしも血尿が出たときは、膀胱か尿道、腎臓、前立腺などのどこかに病気を抱えている可能性があります。
血尿と同時に食欲が落ちていたり、元気がなくなったりしている場合は、命に関わる危険性も。

血尿の原因となる病気を見ていきましょう。

性別や年齢で違う、犬の血尿の原因

犬の性別や年齢などによって、血尿の原因となる病気へのかかりやすさが異なります。今回は代表的な病気を紹介します。

膀胱炎

膀胱炎は、尿を溜める袋(膀胱)が炎症を起こす病気のことです。
主に尿道から入り込んだ細菌が原因であることが多く、この場合は「細菌性膀胱炎」と呼ばれ、血尿を伴うことがあります。
細菌性膀胱炎は、特に雌犬がかかりやすい病気。雌犬は雄犬と比べて尿道が短く、外陰部を舐めることも多いので、細菌が侵入しやすいのです。

また他には、ストレスや寒さなどが原因となって「急性膀胱炎」に引き起こすこともあります。
膀胱炎が慢性化すると腎盂腎炎や結石症などの合併症を引き起こすことがあり、最悪の場合は命の危険も。
早急に動物病院に連れて行きましょう。

尿路結石

「尿路結石」は、腎臓や膀胱で尿の成分が結晶化して結石となり、腎臓、尿管、膀胱、尿道などの尿路に留まってしまう病気。
結晶が尿道にあれば「尿道結石」、膀胱にあれば「膀胱結石」といい、どちらも結石が内壁を傷つけ、出血し血尿を引き起こします。

結石が大きくなると、尿道を塞いでしまい尿が出にくくなることもあります。
尿道が細く長い雄犬は特に塞がれやすいので、足を上げている時に尿がきちんと出ているか、尿をする際にいきんでいないかなどを確認しましょう。
また、排尿を我慢させないようにしたり、水をたくさん飲む環境を作ってあげたりすることで、結晶化を予防することも大切です。

前立腺疾患

6、7歳以上の雄犬がかかりやすいのが、「前立腺疾患」です。
前立腺とは、雄犬のみにある生殖器のことで、加齢とともに男性ホルモンのバランスが崩れることで肥大し、やがて患部が炎症を起こし出血します。
去勢をしたり、ホルモン剤の投与で男性ホルモンの濃度を下げたりすることで、肥大を抑えることができます。

前立腺が肥大すると腸が圧迫され、尿や便が出にくくなります。
軽い場合は食事療法で改善することがありますが、ほかの臓器の機能不全を引き起こしている場合には、外科手術による前立腺の除去が必要です。

膀胱腫瘍

前立腺疾患と同様、高齢期に起こりやすいのが、膀胱腫瘍(ガン)です。
初期の膀胱腫瘍は、症状に乏しく気付くことが難しいため、血尿が確認できた時点でかなり進行しているケースが多いものです。
膀胱腫瘍は、雄雌問わず発症し、年齢とともに発現率も高くなります。
5歳を超えたら年に数回、できれば季節の変わり目ごとに定期検診を受けるように心がけましょう。

タマネギなどによる中毒

タマネギや長ネギ、ニンニク、ニラなど、アリルプロビルジスルファイドという成分を含んだ食材を食べてしまうと、犬の赤血球が破壊され、血尿や貧血などを起こします。
この成分は、加熱済みであっても危険ですから、タマネギの入った料理(ハンバーグやカレーなど)にも注意が必要です。
また、もし食べてしまった場合、中毒症状は2~3日後に出る場合も多いので、下痢や血尿、貧血などが見られたら速やかに病院へ連れて行きましょう。

血尿の他にもおしっこの異常や他の症状がないか注意して

血尿とあわせて、発熱や嘔吐、貧血、下痢、食欲不振などの体の異変が同時に起こることもよくあるものです。
また、血尿が出ないまでも、頻繁に排尿する割にはおしっこの量が少ない、思わぬ場所での失禁が増える、尿から悪臭がする、排尿時にいきむなどの行動が見られたら要注意。
これらの症状があれば、すぐに病院へ相談するようにしましょう。

飼い主の気配りで、予防&早期発見

今回紹介した病気は、人間もかかりやすい病気ばかり。
一度でもかかったことのある方は、痛みや辛さをご存知ではないでしょうか。
犬は、痛さや辛さを言葉で訴えることができません。
健康時の尿の色や臭い、量などを、飼い主さんがきちんと把握して、少しでも異変を感じたら放置せずに、すぐに動物病院で診てもらうようにしましょう。