猫が7歳を過ぎたら注意すべき6つのポイント

猫は犬や人間に比べると病気が少ない動物であると考えられています。予防接種以外で病院に行ったことがない猫ちゃんも沢山いるでしょう。それでも歳をとると様々な病気が出始めます。猫の健康の1つのターニングポイントが7歳と言われています。

AAFP(アメリカ猫医学会)が発表した猫のライフステージでは6歳までを壮年期、7歳から中年期とし、人間年齢に換算すると44歳になります。猫は7歳でも見た目は若く見えますが、実はもう中年なんですね。7歳ぐらいからでてくる病気を自宅でチェックできる6つのポイントを解説します。

高齢猫に多い病気 8大疾患

まずは高齢猫に多い8大疾患とその症状を確認しましょう。こうして見ると結構症状が似ていますね。尿量の変化や体重の減少が多くの病気で共通していることがわかります。

  • 慢性腎臓病:多飲多尿、体重減少、嘔吐、口臭
  • 糖尿病:多飲多尿、体重減少、嘔吐
  • 炎症性腸疾患(IBD):体重減少、嘔吐
  • 肥大型心筋症:運動量の減少、頻脈
  • がん:体重減少(その他の症状は部位による)
  • 甲状腺機能亢進症:体重減少、多飲多尿、頻脈、嘔吐
  • 骨関節炎:運動量の減少 ・ 歯肉炎:体重減少、口臭

(症状は今回説明するチェックポイントのみ記載しています)

どんな病気が多く、どんな症状が出ているのか、わかりましたね。ここからはチェックするポイントについて具体的に解説します。

1、多飲多尿

たくさん水を飲み、たくさん尿をすることを多飲多尿といいます。尿は砂に吸収されたり、蒸発してしまうので飲水量の方が測定しやすいでしょう。

猫の正常な飲水量は1日あたり体重あたり50ml以下です。つまり体重が5kgの猫であれば5kg×50ml=250ml。これ以上お水を飲んでいれば多飲多尿の疑いが強いです。ただしこれはドライフードの場合です。

ウェットフードを主食にしている場合はウェットフードに含まれている水分を引きましょう。5kgの猫で水分80%のウェットフードを1日200g食べている場合以下の計算になります。

250ml – 200×0.8=90ml これ以上お水を飲んでいる場合は多飲多尿の疑いが強いです。

2、体重

歳を取ると筋肉量が減るので体重は落ちますが、急激な減少は病気の可能性があります。猫は被毛に覆われているので、痩せていても気がつかないことがあります。最低でも月に1度は体重を計りましょう。

1ヶ月前と比べて10%以上の体重減少がみられた場合は、何らかの病気の可能性が高いです。例えば4kgの猫の場合の10%は、400gです。人の感覚で400gと聞くと少なく感じますが、猫にとってはとても大きな減少です。

また、痩せてくると骨が触りやすくなります。特に肋骨、骨盤の骨が簡単に触れる場合は、すでにかなり痩せ細っていることを示します。体重の変化が小さくても、骨が簡単に触れる場合は、一度動物病院で確認した方が良いでしょう。

3、嘔吐

嘔吐は胃や腸の病気だけでなく、糖尿病や甲状腺機能亢進症でも見られる症状です。

ただし、猫は人間や犬より吐きやすい動物で、健康でも週に2回ぐらい吐くという猫も少なくありません。

そのため、嘔吐が病気によるものなのか、その猫がもともとそうなのかを判断することが非常に難しいです。

チェックするポイントとして、若い時と比較して吐く頻度が増えたかに気をつけると良いでしょう。例えば今まで全く吐かなかったのに、2〜3日に1回吐くようになったという場合は、病気が隠れている可能性が高いです。また嘔吐物も黄色かったり異様な匂いがする時は要注意です。

4、運動量の減少

肥大型心筋症や関節炎になると運動を避けるようになります。今までキャットタワーに一発でジャンプしていたのに、棚を経由するようになったり、またその逆に高い所から一発で降りなくなったりした場合は、痛みを隠している可能性があります。

その他にはご飯の時でも走ってこなくなった、走った後またはトイレの後に呼吸が荒いなどは、心肺機能が落ちているサインです。

猫は歳をとるにつれ、寝る時間が増え運動量は減りますが、こういったところに注意して観察すると、異変に気づくことができます。

5、撫でていて気がつくこと

猫の皮膚や体表では乳腺腫瘍、肥満細胞腫、基底細胞腫などがしこりを作ります。特に肥満細胞腫はミリ単位でできることが多く、小さいからと気がついても様子を見られることが多いです。

乳腺部(猫は8つ乳頭があるのでお腹全体)にできる乳腺腫瘍は猫では悪性度が高く、小さいうちに手術で切除することが非常に大切です。その他には歯肉炎で歯が痛くなると、毛づくろいをしなくなり毛ヅヤが悪くなる、水分が足りていないと、皮膚のハリがなくなります

6、お口をチェック

歯肉炎や歯石の確認はもちろん、口臭、歯肉や舌の色が薄ければ貧血、黄色がかっていれば黄疸、口の中のできものなど、お口周りは意外と多くの情報が得られます。

猫のがん

(赤丸:丸で囲われた黒い部分はがんでした。青矢印:がんにより骨が溶け犬歯が傾いています)

おまけ 心拍数のチェック

少し難しいかもしれませんが猫の胸に手を当てると心臓の振動を感じることができます。猫の心拍数は正常時で1分あたり140〜220回、それ以上ある場合は頻脈、また少ない場合は徐脈になります。時計を見ながら15秒間で心拍数を数え、それを4倍することで1分あたりの回数が測れます。

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(赤丸:心臓の位置。写真は右ですが、左側の方が心臓の拍動がわかりやすいです)

おまけのおまけとして呼吸数は1分あたり24〜42回、体温は38〜39.2℃が正常範囲です。これらの数字は1つの目安で、緊張していたり、測るときに嫌がると高くなるため、正常範囲から少し外れることはあります。明らかに正常範囲から外れている場合は、一度獣医師のチェックを受けましょう。

まとめ

いかがでしたか。少しチェックするのが難しい項目も含まれていますが、できる範囲で気をつけてあげましょう。日頃から触ったり見て練習しておくと、小さな異変に気がつくことができます。何気なく撫でている時も、少し気をつけてみましょう。

また、多頭飼いをしているのであれば、もう1匹の猫ちゃんと比べてみると分かりやすいです。猫は症状を隠す動物なので、病院に来た時には、もうかなり進行していることがあり、自宅でのチェックは非常に大切だと感じます。