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愛猫をきれいにしてあげたくてお風呂に入れたのに、激しく抵抗されて散々な目にあったことはありませんか?

まれにお風呂が平気な猫もいますが、多くの猫はお風呂が大嫌い。
正確には体を濡らすことそのものが嫌なのです。
これは家猫の祖先リビアネコの性質が、今でも遺伝子に受け継がれているからなのだとか。
リビアネコが生息していたのは昼と夜の気温差が激しい砂漠地帯。体に水分がついていると激しい放射冷却で体温が奪われてしまい、命の危険につながるため水を嫌う猫が多いのです。

では、何千年もの昔から濡れることを避けようとする猫を、お風呂に入れる必要ってあるのでしょうか?

猫は、自分の体をきれいに保つことができる生き物

猫はもともと体臭が少ないうえに、全身をしっかりと毛づくろいして清潔さを保とうとする習性の強い生き物です。
全身をくまなくペロペロとなめているのをよく見ますよね?あの行為は「セルフグルーミング」と呼ばれるもので、被毛のお手入れをしているのです。
セルフグルーミングによって猫の体は驚くほど清潔に保たれていますから、実は無理をしてまでお風呂に入れる必要はないのです。

それでも猫を洗うとしたら?

お風呂に入れなくても猫は清潔さを保てる――とはいえ、人と猫が快適に暮らしていくためには、ときには洗いたい場面も出てくることでしょう。
たとえば避妊や去勢をしていない猫は、発情期にスプレーと呼ばれる尿を撒き散らす行動をとります。これは縄張りを示すための行為で、通常の尿より臭うのが特徴。スプレーをする猫はどうしても体に尿が付着し、いつもより臭くなりがちです。
こんな場合は無理をしてニオイを我慢するより、お風呂に入れた方が良いでしょう。
また、白い毛の猫は他の色に比べると、どうしても汚れが目立ってしまいます。猫自身は白毛が多少黄ばんでいても気にしないかもしれませんが、飼い主としては気になるところでしょう。
いずれの場合も、よほど汚れていなければ猫をお風呂に入れるのは年に1~2回ぐらいで充分です。

しかし、あまりにもお風呂を嫌がるようなら、むしろ一生洗わなくもいいくらいです。それだけ猫はセルフグルーミングによって体の清潔さを保つことができるのです。

ところで、頻繁に洗えば猫もお風呂に慣れてくれるのでしょうか?
おそらく、猫の性質を考えるとそれは難しいでしょう。
むしろ無理矢理シャンプーするたびに強いストレスにさらされることになりますので、それが原因で人を恐れるようになるかもしれません。
そうなってしまったら、人も猫も楽しい暮らしを送れなくなってしまいます。

お風呂に入れるとき注意すること

猫をお風呂に入れる場合は、次のことに注意しましょう。

1.まず、お風呂に入れる前に爪を切っておきます。思わぬ抵抗にあって飼い主が傷だらけにされるだけでなく、爪が折れて猫にケガをさせてしまうかもしれないからです。
2.次にブラッシングをして、抜け毛やホコリを取り除きます。これだけでもかなりきれいになりますから、洗う時間を短縮することができるはず。
3.シャンプーを使うときは「猫専用のシャンプー」で洗うことが鉄則。猫の被毛には油分が少なく、人の使うシャンプーや石鹸で洗ってしまうと脱脂力が強すぎて毛がバサバサになり、皮膚が炎症を起こしてしまうこともあります。
また、せっかく猫用のシャンプーを使っても洗う頻度が多すぎると皮膚のバリアが失われ、皮膚炎などの原因になります。猫をお風呂に入れる回数は、必要最小限にとどめることが大切です。

長毛種の猫のお風呂

猫はセルフグルーミングが入念とは言え、長毛種の猫はセルフグルーミングが行き届かないことがあります。そのため、どうしても短毛種よりお風呂に入れる回数が多くなりますが、お風呂が苦手なことに変わりはありません。 少しでもお風呂の回数を減らすためには、短毛種以上にこまめなブラッシングが必要です。
日々のブラッシングで汚れを取り、毛のもつれや毛玉を防ぎましょう。

シャンプーの際は、毛の流れを整えるように優しく洗ってあげてください。
お風呂からでた後は、短毛種は自然乾燥でもいいのですが、長毛種は生乾きになりやすいため、ドライヤーをあててしっかり乾かしてください。
せっかくの長い被毛なのですからより美しく保ってあげましょう。

どうしても猫がお風呂を嫌がるときは

どんなにがんばっても、頑としてお風呂を拒否する猫もいます。
そんなときは無理強いをする必要はありません。
外に出る猫が雨や泥でひどく汚れてしまい、それでもお風呂に入れることが難しいような場合は、お湯でしぼったタオルでふいてあげたり、水を使わないドライシャンプーを利用するとよいでしょう。ドライシャンプーを利用する場合も、最後は必ず乾いたタオルで水気をとり、乾いたらブラッシングをすると被毛がきれいによみがえります。
ドライシャンプーを使う場合は後で猫がセルフグルーミングをすることを考え、なめても害のない成分のものを選んであげてください。

猫になるべくストレスがかからないように

人の生活の中で暮らす以上猫が清潔なことは大切なことですが、猫はセルフグルーミングで十分に清潔を保てることも踏まえ、お風呂に入れることを検討しましょう。お風呂に入れる場合も、なるべく猫にとってストレスが小さくなるように工夫してあげてくださいね。