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猫と暮らす飼い主さんを悩ませることの一つに「爪とぎ」があります。
猫が爪をとぐのは本能による行動ですから、やめさせることはできません。
しかし、だからといって壁や柱、家具などがボロボロにされていくのを黙って見ているわけにはいきませんよね。
ここでは、猫の爪とぎと、一緒に暮らす上での爪とぎ環境について考えてみたいと思います。

叱ることはNG!なぜ猫は爪をとぐのか理解しよう

そもそも、猫にとって爪は生きるために欠かせない大切な道具。
鋭い爪で獲物をつかまえ、時には敵と戦うための武器として使い、また木の上などに登るときにも必要なものです。
爪は、猫にとってたくさんの用途がある大切な道具。ですから、「爪とぎ」によって日々のお手入れが欠かせないわけです。

また、道具として以外にも、「爪とぎ」によってマーキングの意味合いもあります。
爪あとを視覚的に見せるのはもちろんのこと、肉球や爪の周辺から分泌されるニオイをこすりつけることで、なわばりを主張しているのです。
これだけ本能に根ざしている「爪とぎ」ですから、しつけによってやめさせることはできません。
猫の爪とぎをやめさせようとして叱ったり怒ったりしても効果はほとんどありませんし、むしろ大切な信頼関係を損ねてしまうことになりかねないのです。

「やめさせる」から「ここならやってもいい」へ

やめさせることはほぼ不可能な猫の「爪とぎ」ですが、猫がしたいままにすると、部屋の中がとんでもないことになってしまうかもしれません。
それを避けるには、「爪とぎをしてもよい場所」を作ることが一番。

まずは、次のことを「爪とぎ」のポイントとして猫を観察してみましょう。

1.「爪とぎ」の被害にあっているのはどんな場所ですか?
2.「爪とぎ」をするとき主にどんな姿勢をとっていますか?
3.「爪とぎ」をしたがるものの材質はどんなものですか?

爪とぎされては困る場所はしっかりガード!

猫が「爪とぎ」をしている場所、もしかしたら部屋の中でもけっこう人目につきやすいところでしていませんか?
これは、マーキングの意味合いが強く、要するに一番目立つ場所に自分の存在を主張したいわけです。その結果、人の目からも一番目立つ場所がボロボロにされてしまうことになり、困ってしまうわけですよね。

そこで、あらためて「爪とぎ場所」を設置することから始めてみましょう。
もともと爪をとぎたがる場所に設置できれば良いですが、その場所がどうしてもダメな場合は違う場所を「爪とぎ場所」として猫に使ってもらうしかありません。
新たな場所に定着するまでは、本来爪とぎをしたがっていた場所は物理的に爪がとげない状態にしておきましょう。
猫はツルツルとした感触が苦手ですから、つるりとした布やプラスチックの板などで覆ってしまったり、アルミ箔や紙製のガムテープを貼っておきます。(布製のガムテープは爪が引っかかるのでNG)
鉢植えなどを置いて猫が近づけないように邪魔をするという方法もありますが、この場合は猫が口にしても危険のない植物を選んでください。

※猫にとって危険な植物についてはこちら

市販されている猫用の忌避剤を一時的に使用してみるのもよいかもしれません。
いずれにしても、傷をつけられたくない場所は、さまざまな方法で猫が近づけないようにしっかりとブロックすることが大切です。

「爪とぎ器」はきちんと固定!気持ちよく「爪とぎ」ができる環境を

「爪とぎ」には体のストレッチも兼ねているとも言われるため、どんな体勢で「爪とぎ」をしているのかは、実は重要なポイントになります。
猫にとって「爪とぎ」はストレス解消で気分をスッキリさせ、なおかつ体を伸ばす気持ちよさを追求した行動でもあるのです。
壁にたてかけるタイプの場合は、猫が体を伸ばして気持ちよく爪とぎできる高さにしておきましょう。
また、床置きタイプであってもグラグラと動いてしまうようでは気持ちよく爪をとぐことができません。
縦置き・床置き、いずれにしても、爪とぎ器はきちんと固定して、安定して爪とぎができるようにしておきましょう。

爪とぎは猫の好みの材質を用意して。DIYもあり!

猫が爪とぎをしたくなる材質は何かといえば、ズバリ爪がよくひっかかるものです。 木製、縄、ダンボール、カーペット、コルク、目の粗い布などいろいろありますので、まずは猫がどんなものを一番好むのか、よく知っておかなければいけません。 その材質を使った「爪とぎ」であれば、猫をより満足させることができ、そこでの爪とぎを定着させることができるでしょう。

市販の「爪とぎ」で良さそうなものが見つからない場合は、段ボールや木などを使って自作してみるのもいいかもしれません。
インターネットで「猫 爪とぎ」などで検索すると、材料や作り方などがたくさん出てくるのでチェックしてみてください。

新しい爪とぎ場所を定着させるには

猫が「爪とぎ」をしては困る場所をしっかりとブロックし、あらたな「爪とぎ」を用意できたら、あとは快適に使ってもらうだけです。
すんなりと使ってくれれば万事OKですが、なかには警戒してしまう猫がいるかもしれません。
そんなときはマタタビを使うなどして、自ら新たな「爪とぎ」に近づいていくように誘導してあげてください。

また、「爪とぎ」をしてほしくない場所へ行ってしまったときは、叱るのではなく壁やテーブルを新聞紙などで叩くことで大きな音をたて、行動を中断させ、新しい「爪とぎ場所」に移動させましょう。

猫も人もストレスのない快適な生活を

「爪とぎ」をしつけようと考えることは、「爪とぎ」という猫の本能を人の都合で制限することなのかもしれません。
それだけに、猫にとってできるだけ快適な爪とぎ環境を整えることはとても大切なことと言えます。
猫も人も気持ち良く、ストレスのない快適な生活を送りたいものですね。