首輪

首輪(カラー)とリード(引き綱)は、犬と暮らすうえで絶対に欠かすことのできない重要なアイテムです。ところが、多くの飼い主は首輪とリードを選ぶ基準に、デザイン性を重視しているのだとか。

確かに、ペット用品売場には多種多様な首輪とリードがずらりと並べられていて、目移りしてしまいますよね。どれを選べばいいのか迷いに迷い、結局見た目で選んでしまうのは、ある意味仕方がないことなのかもしれません。

しかし、首輪とリードを装着する本来の目的は、安全で快適なドッグライフを送ることです。となると、機能性はもちろんのこと、それを使いこなせることも大事な要素の一つではないでしょうか。

首輪とリードの大切な役目とは?

首輪とリードの大切な役目とは何でしょうか?

それは、リードを介して下される飼い主の指示が、首輪を通して瞬時に犬に伝わることです。ですから、リーダーウォーク(飼い主の歩調に合わせて歩くこと)ができない犬の場合、長すぎるリードでは指示が伝わりにくいため不向きなのです。

反対に、しっかりとリーダーウォークができるようになった犬には、首輪やリードは安全性さえクリアしていれば、どんなタイプを選んでもいいのかもしれません。

首輪とリードは勝手にどこかへ行こうとする犬を、拘束するための道具ではない――。そのことを前提にして、どんな種類の首輪とリードが今の自分と愛犬に適しているのかを考えると、選ぶ基準が変わってくるのではないでしょうか。

首輪(カラー)の種類

○革製の首輪

ベルト穴があいていて、金属のバックルでサイズを調節するタイプ。首輪としては最もポピュラーなもので、子犬から老犬までと幅広い年齢で使うことができる。

<平首輪>

一枚革を首に巻く形状で、革製の首輪としては最も一般的。ベルト穴のサイズが合わないと首抜けの原因になりやすい。

  • 適した犬種サイズ/全犬種

<丸首輪>

革がストロー状に巻かれていてエッジ部分がない首輪。角がないため毛が絡まりにくく、また毛切れも起こしにくい。ただし、平首輪に比べると強度が弱いので、力が強くて制御のきかない中・大型犬には向かない。

  • 適した犬種サイズ/長毛犬種、引く力があまり強くない犬

○ナイロン製の首輪

革製の首輪がベルト穴の間隔でしかサイズ調節ができないのに対し、こちらはプラスチック製のバックルをスライドさせることで、ジャストサイズに合わせることが可能。また、カラーバリエーションが豊富なため、デザイン性にも優れていて人気がある。ただし、バックル部分がプラスチック製のため、急激な引っ張りなどの耐久性に乏しく、経年劣化しやすいため、あまり長い期間の使用には向かない。

  • 適した犬種サイズ/全犬種

○チョークカラー

リードを引くと首輪が絞まる形状で、材質はステンレス製のチェーンが多い。主にはリードを引っ張る犬の調教用に使用されている。使い方を誤ると犬の咽頭を傷めるため、使用の際には注意が必要。また、首が絞まる=虐待のイメージからチョークカラーそのものに悪い印象を持つ人も多い。しかし、きちんとリーダーウォークができる犬が装着した場合は、首に圧迫感のないストレスフリーの首輪となる。

  • 適した犬種サイズ/引く力の強い犬、またはリーダーウォークができる犬

○ハーフチョークカラー(マーチンゲールカラー)

チョークカラーと似ているが、思いきりリードを引いても一定以上は絞まらない構造になっている。首に巻く部分の材質がナイロンや皮革などの柔らかい素材が使われているものが多く、デザイン性の面からも最近では人気が高い。

  • 適した犬種サイズ/全犬種

○ハーネス(胴輪)

胴体に巻いて使用する形状で、リードを取り付けるための金具が背中の位置にある。材質も首輪とほとんど変わらず、ナイロンや合成皮革が多い。首の一点に力が集中する構造の首輪と違い、ハーネスは胴体部分で力が分散するようにできている。そのため、犬の体に過度の負担がかかりにくい利点があるが、その反面、飼い主の意志がリードから伝わりにくく、リーダーウォークのできない犬が装着すると、いつまでたっても引き癖を直すことができないという欠点もある。

  • 適した犬種サイズ/全犬種、またはリーダーウォークができる犬

リード(引き綱)の種類

○スタンダードタイプのリード

散歩ひもと呼ばれるポピュラーなタイプ。片方は飼い主が持つための輪になっていて、反対側には主に金属製のナスカンが取り付けられている。材質には革、ナイロン、コットンなどが多く、ひもの長さや太さにもかなりのバリエーションがあるため、どんな犬にも対応することができる標準的な引き綱。

  • 適した犬種サイズ/全犬種
  • 使用目的/通常の散歩、運動
  • 使用場所/犬を連れていける場所であれば特に制限なし

○フレキシブルリトラクタブルリード(伸縮性リード)

巻尺と同じように巻き取り式になっていて、リードの長さを自在に変えることができる。リードの長さを決めたらその位置でロックして使うことが基本となるが、犬が急激に飛び出した場合、ロックが外れたり破損する危険性がある。また、ひもがかなり細いため、リードが長く伸びていると突発的な事態に対処する際に、引き戻しにくいという欠点がある。

  • 適した犬種サイズ/小型犬
  • 使用目的/通常の散歩用にも使えるが、安全面を考えた場合トレーニング用などのセカンド的な使用が望ましい
  • 使用場所/ある程度の広さがあり、人や犬があまり密集していない場所

○トレーニングリード

5~30m程度の長いリードの先に、首輪とつなげるためのナスカンがついているタイプ。主に呼び戻しをマスターしていない犬のトレーニング用に使われる。材質は軽量のナイロン製が多い。リード自体にはあまり耐久性がないため噛み切られやすく、また引っ張りに対する強度にも欠けるため、どんなに短い時間でも係留用として使うことには向いていない。あくまでもトレーニング時のみに使うためのリード。

  • 適した犬種サイズ/全犬種(ただし力の強すぎる大型犬には不向き)
  • 使用目的/呼び戻し、持って来いなどを教える際のトレーニング用
  • 使用場所/長いリードが周囲の人や物を引っかけないだけの、安全性が確保できる広さがある場所

特殊な形状の首輪とリード

一昔前までは、犬の散歩といえば首輪にスタンダードリードを取り付けることが主流でした。しかし、いまは首輪もリードも多様化している時代です。


○首輪とリードの一体型

リードの先端部分が輪になっていて、そこに犬の頭を入れて首輪として使うタイプ。輪の大きさを決めたら金具で固定する。材質はナイロン製または合成皮革が一般的。

  • 適した犬種サイズ/全犬種、もしくは子犬の散歩練習用として
  • 使用目的/通常の散歩用
  • 使用場所/犬を連れていける場所であれば特に制限なし

○胴輪(ハーネス)とリードの一体型

首輪とリードの一体型と同様に、リードの先端部分がハーネスになっている。材質はナイロン製または合成皮革が一般的。

  • 適した犬種サイズ/小型犬(市販されているものはほとんどが小型犬用)
  • 使用目的/通常の散歩用
  • 使用場所/犬を連れていける場所であれば特に制限なし

○多頭引きリード

リードの片方に首輪に取り付けるためのナスカンがついていて、反対側にはマルカンと呼ばれるリング状の金具がとりつけられている。2頭引きならこのリードが2本、3頭引きなら3本というように、頭数分が一つのマルカンにつながっている。マルカンにリードのナスカンを取り付けると一本のリードの先から複数頭分のリードへと枝分かれする構造。

  • 適した犬種サイズ/全犬種(ただし複数頭が並んで歩くため、体格によってリードの長さを考慮する必要あり)
  • 使用目的/通常の散歩用
  • 使用場所/犬を連れていける場所であれば特に制限なし

  • 首輪とリードは飼い主と愛犬が一体となるために必要なもの

    首輪やリードを選ぶ際に、誰しもが考えるのは愛犬の体重や体高ではないでしょうか。しかし、リーダーウォークができるか、できないかということも、実は同じぐらい重要な選択基準なのです。

    引き癖があるからチョークカラーに太いリードをつなげる――これでは事態はいつまでたっても好転しません。飼い主と愛犬が一体となるためにも、首輪とリードは自分達に適したものを選ぶことが、なによりも大切なのです。