B-3_nekotoningen

妊娠が発覚したら、出産のために様々な準備をしなくてはいけません。猫と暮らしている場合はどのような病気に気を付ければ良いのか、また新たな家族が加わることに猫はどう感じるのでしょうか。妊婦さんの健康は産婦人科医に相談すべきですが、今回は獣医師の立場から猫と暮らす家庭の出産前後の注意ポイントについて解説します。

猫から感染する病気は普段通りの予防でOK

動物と人間両方に感染する病気を「人獣共通感染症」と呼びます。赤ちゃんは免疫力が低いので、人獣共通感染症の予防は通常通り行ってください。
たとえば…

  • 猫を触った後に口に入るものを触る時は手を洗う
  • 猫のトイレはすぐに片付ける
  • 猫の寄生虫(ノミ、ダニ、回虫)の予防はしっかり行う(定期的に動物病院で予防薬を接種するなど)

などに気を付けましょう。
これらは赤ちゃんがいる時だけでなく、猫を飼っているなら常に習慣付けておきたいことです。

トキソプラズマ症には注意!しっかり予防しましょう

トキソプラズマは人獣共通感染症の1つで寄生虫の仲間です。人間を含めた、ほぼ全ての哺乳類と鳥類に感染します。人間の場合は、妊娠中にトキソプラズマに初めて感染すると、胎児に重篤な障害や流産を起こすことがあります。

妊娠が発覚すると病院でいくつかの感染症に感染していないか検査します。トキソプラズマの検査は必須ではないですが、希望者は抗体値を調べることができます。猫を飼っている方は調べてみると良いでしょう。同様に猫のトキソプラズマ抗体は動物病院で測定することができます。

しっかりと予防を行えば、猫から人にトキソプラズマが感染することは非常に稀です。なぜなら猫がトキソプラズマを便の中に排泄するのは「初めての感染の時期だけ」だからです。過去に猫がトキソプラズマに感染していたかは抗体検査をすればわかります。もし猫がまだ感染していなかった場合、感染しないように予防しましょう。
猫のトキソプラズマの予防方法は人間と同様です。以下の注意事項を守ってください。

【猫のトキソプラズマ感染を予防するには】

①猫に生肉を食べさせない
②猫を外出させない(庭やベランダであってもNG)
③他の猫との接触は避ける(外猫が室内に入ってこないように注意)

また、妊娠中は猫のトイレを清潔に保ち、トイレ掃除時は手袋をつける(もしくは家族にやってもらう)、猫との過剰なスキンシップ(キスする、猫を口に入れるetc.)は避けることなどに注意しましょう。

猫が赤ちゃんに危害を加えることはあるの?

病気以外の部分で、猫が赤ちゃんに攻撃を仕掛ける、はたまた上に乗って圧迫してしまうなど危険を及ぼすことはあるのでしょうか。
猫は知らない人や物に対して自分から襲い掛かることはほとんどありません。むしろ異常に怖がったりすることもあります。ただし、なかには赤ちゃんに強い興味を持つ猫もいます。実際に猫が赤ちゃんの上にのしかかってしまった事例が海外にはあるようです。

まだ赤ちゃんが寝返りもできない時期は、猫の性格によってはベビールームに入れないようにしたほうが良いでしょう。猫が受け入れてくれるのであれば、猫をケージに入れておくのがもっとも簡単な方法です。それが難しい場合はベビールームに入らないよう部屋の入口に網を貼るなどの工夫をしましょう。

次ページ>>猫に配慮してあげたいポイント