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猫は箱があるとおもむろに中に入ります。
ダンボールだけでなく、スーツケースや洗濯物用のバスケットなど、箱の種類を問わないようです。
この箱に入る行動は猫だけでなくライオンなどのネコ科の動物に共通してみられます。

【参考動画】ネコ科の動物が箱に入る様子

箱に入って満足そうな表情を浮かべる猫もいれば、周囲をキョロキョロ見渡している猫も。
では、そもそもなぜ猫は箱に入りたがるのでしょうか?

理由その1「危険から身を守るため」

猫が箱に入りたがる理由は、大きく分けて2つあります。
1つめは身を隠すことで周囲の危険から遠ざかるため、そして2つめは獲物に忍び寄るためです。

まず1つめの周囲から身を守るという理由は、猫に限らず全ての動物にとって大切な事ですが、猫が他の動物に比べてより身を隠そうとする理由として以下のことが考えられます。

まず、猫は単独で行動する動物であるため、非常に警戒心が強いです。猫は肉食動物であり捕食する側ですが、体が小さく襲われることもあります。
知らないところ、例えば病院に来た猫はまず身を隠そうとして、机の下に潜ったり、キャリーバッグに戻ったりしますが、これは猫の防御本能としてまず「隠れる」という意識が第一に働いているのでしょう。

また、猫は1日の時間の大半は身を隠して過ごします。1日の2/3を寝て過ごし、起きている時間の半分はグルーミングなどをしていて、実際に活動するのは夕方と明朝の合計4時間ほど。
猫は身を静かに潜めている時間の方が一日の中で遥かに長いため、隠れていることのほうが猫にとって自然な状態であるともいえるでしょう。

理由その2「獲物を待ち伏せて狩りをするため」

そして、2つめの理由は獲物から見つからないためです。
猫は狩りをする時も隠れています。猫は待ち伏せ型の捕食動物なので、長時間獲物を追いかけるのではなく、身を隠し、近づいてきた獲物を捕まえます。
家の中でも柱の陰に隠れて飼い主さんの足に飛びかかってくるのは狩りの練習をしているのです。
いろいろな所に入ってみるのは、釣り人が良いポイントを探すように良い狩場を探しているのかもしれません。
背が低く頭を出せる箱、前方の見通しが良い箱は、狩りをするのに良い場所だと感じているのでしょう。

猫は箱に隠れることでストレスを軽減している?

科学的に猫が箱好きな理由を証明するのは難しいですが、報告としては以下のようなものがあります。
保護施設に新しく来た猫のケージに隠れる箱を入れると、隠れる箱がない猫に比べてストレス行動が大きく低下し、より短時間で新しい環境に馴染むことができたことを示した研究があります(C.M. Vinke et al 2014)。

このように隠れる場所がないと猫はより強いストレスを受けることがわかります。
特に保温性、遮音性が高い段ボールは、隠れる場所として猫に好まれます。
静かな場所にある全身が隠れるサイズの箱は猫にとって良い寝床にもなるでしょう。

猫は実は「狭い」箱が好き!?

狭い箱にぴっちり入っている猫の姿を見ると、どのぐらい小さな箱に入れるかチャレンジしているようにも見えます。
実は猫にとっては小さすぎるぐらいのサイズがちょうど良いのです。

被毛に覆われているため狭そうに見えますが、猫は毛がないとかなり細身な体型をしています。
猫の濡れた姿を見たことがある方は猫本来のほっそりした体型をご存じでしょう。
しかも、猫は関節がやわらかいので、体を箱の形に合わせることができます。むしろぴったりサイズの箱の方が猫は落ち着くのです。

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(狭そうにみえても猫はリラックスしている)
 

まとめ

猫にとって箱のようなものに入って身を隠すというのは、安心して休憩をとる時、そして狩りを行う時の両方に見られる行動です。猫にとって箱に入るという行動は日常的なことなのでしょう。
そして、猫は毛に覆われているけれど実際には細身なこと、そして関節がやわらかいことにより我々人間の想像以上に小さな箱に入っても猫は窮屈ではなく、むしろリラックスしているのでしょうね。