猫にも人間と同じく血液型があり(※)、事故や病気などで輸血が必要になれば、血液型にもとづいて適切な処置がとられます。
今回はやむを得ない事情によって、同じ猫からではなく犬から輸血を受けて救われた猫ちゃんの奇跡のようなお話をご紹介したいと思います。

(注※)猫の血液型はA, B, ABの3種類あります。

重度の貧血で生命の危機の猫ちゃん!でも血液がない?

異種間輸血の処置を受けたのは、米フロリダ州在住のアーニー・サウンダースさんの飼い猫バターカップ。
ぐったりとして元気のないバターカップを動物病院に連れて行ったところ、重度の貧血症で、赤血球の数が正常値の5分の1ほどにまで減っていることが判明したといいます。

緊急に輸血を行わなければならないが、適合する型の猫の血液がない。
そのため、窮余の策として、近くの動物病院から犬(グレイハウンド種)の血液を取り寄せ、輸血することにしたのだそうです。

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(犬の血液の輸血で奇跡の復活を遂げた猫のバターカップ)
出典:Marathon Veterinary Hospital

今回のニュースは稀有な事例

全米でも犬から猫への輸血の例は62例しか報告されていないとのこと。
非常に稀有な例だとはいえ、まったくの前代未聞というわけではなく、2013年にはニュージーランドでも似たような事例が報告されています。
この時も、猫の血液を入手することができなかったため、犬の血液を緊急輸血。ほぼ賭けに近い処置だったそうですが、奇跡的に救われたそうです。

参考記事:http://www.afpbb.com/articles/-/2963263

ただし奇跡は一回限り

バターカップの治療にあたったショーン・ペリー獣医によると、犬の血液を輸血できる異種動物は猫だけなのだとか。
猫の血液には犬の抗原に対する抗体がなく、輸血しても凝固や拒絶反応が起きないといいます。
ただし、この処置ができるのは一回限り。
なぜなら、犬の血液を一度輸血してしまうと、猫の体内に異物に対する抗体ができ、再び犬の血液を輸血すると拒絶反応を起こす可能性があるからです。

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(猫が輸血を受けている様子)
出典:Marathon Veterinary Hospital

一回限りだとはいえ、まるで奇跡のような話にはただただ驚くばかりです。
4時間に及ぶ手術を耐えたバターカップの経過は良好。拒否反応もなく、順調に回復したそうです。

参考動画:Youtube